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たとえ話:全国に支店を持つ宅配便会社

荷物(パケット)を届けるとき、配達員は「どのルートで運ぶか」を決める必要があります。
BGPルーター = 配送センターの司令官。複数の候補ルートを比べて、決まったルールで一番良い道を選びます。
ルール①で決まらなければルール②、それでも決まらなければルール③…と順番に判定します。

📋6ステップ判定フロー — 上から順に評価し、最初に決着したルールで確定
1
STEP
🏆 最優先

Local Preference(ローカルプリファレンス)

同じ AS(自律システム)内で管理者が手動で設定する「好みのスコア」。
値が高いほど優先される(デフォルト 100)。

たとえ:社内の指定業者

「うちの会社はヤマト運輸を優先して使うと決めている」というルール。
他に安い選択肢があっても、社内ポリシーが最優先。

↓ 同スコアなら次のルールへ
2
STEP
📏 経路の短さ

AS_PATH(エーエスパス)が短い

通過する AS(ネットワーク組織)の数。
通過 AS が少ないほど優先される。

🚂

たとえ:乗り換え回数

電車で目的地に行くとき「乗り換え0回の直通」を「3回乗り換え」より好む。
中継点(AS)が少ない = より直接的なルート。

↓ 同AS数なら次のルールへ
3
STEP
💰 コスト調整

MED(Multiple Exit Discriminator)が低い

隣の AS から「こっちの出口から入ってほしい」と伝えるヒント値。
値が低いほど優先される(デフォルト 0)。

🚪

たとえ:工場の搬入口

工場(隣AS)が「北門より南門の方が空いてます」と案内する札。
MED は相手から見た「推奨入口」の案内板。

↓ 同MEDなら次のルールへ
4
STEP
🌐 外部 vs 内部

eBGP が iBGP より優先

外部 BGP(eBGP = 別の AS からの経路)は
内部 BGP(iBGP = 自 AS 内の経路)より常に優先される。

🏢

たとえ:外注 vs 社内伝言

直接お客様(外部)から受け取った情報」を
「社内の噂話(内部転送)」より信頼する。
外部からの生の情報を優先するイメージ。

↓ 同種別なら次のルールへ
5
STEP
📍 物理的距離

Next-Hop への IGP コストが低い

BGP の次の中継点(Next-Hop)まで、OSPF や EIGRP などの
内部ルーティングコストが小さいほど優先される。

📍

たとえ:最寄りの集配センター

同じ宅配会社でも「自分の家から近い集配センター」を
まず選ぶ。物理的な近さ=低コスト。

↓ まだ同じなら最終タイブレークへ
6
STEP
🎯 最終決着

その他のタイブレーク(Router ID など)

ここまで同条件なら、Router ID(BGP識別番号)の
数値が小さい方を選択。完全なタイブレーク。

🎲

たとえ:くじ引き・早い者勝ち

すべての条件が同じなら、最後は「番号が若い」ルーターを選ぶ。
ルールで決まらなければ機器の固有番号で決定。

📊早見表:ルール一覧
# 判定基準 勝者のルール AWS での典型例
1 Local Preference 値が高い方 Direct Connect ルートに 200 を設定して優先化
2 AS_PATH 長 短い方(少ない AS 数) AS_PATH prepend でわざとパスを長くしてルートを下げる
3 MED 値が低い方 同一 AS の複数 Direct Connect 間の出口制御
4 BGP タイプ eBGP > iBGP Direct Connect(eBGP)が VPN(iBGP)より優先
5 Next-Hop コスト IGP コストが低い方 複数拠点からの同条件ルートで近い側を選択
6 タイブレーク Router ID が小さい方 完全同条件のバックアップ切り分け
☁️AWS での実践:Direct Connect × Site-to-Site VPN

Direct Connect を優先させる方法

Direct Connect(専用線)を VPN より優先する 2 つの主なアプローチ

  • Local Preference を上げる(例: 200 に設定)→ ルール① で即決勝
  • AS_PATH を短くする(VPN 側に prepend 追加)→ ルール② で勝利
  • Direct Connect は eBGP なので VPN(iBGP)より ルール④ でも優位
  • 帯域が広く低遅延のため、Next-Hop コストでも有利になりやすい
🔒

VPN をフェイルオーバーとして使う

Direct Connect 障害時のみ VPN を使うバックアップ設計のポイント

  • VPN 側の Local Preference を低く設定(例: 100)
  • VPN 側に AS_PATH prepend を追加してパス長を延ばす
  • MED を高く設定して Direct Connect の出口を優先させる
  • Direct Connect が落ちた瞬間、自動で VPN ルートが浮上する

🎯 AWS 試験対策:よく出るポイント

❓ Local Preference vs MED の違い

Local Preference は「自分の AS 内」で適用されるアウトバウンド制御。
MED は「隣の AS に伝える」インバウンドのヒント。
スコープが逆なので混同注意!

❓ AS_PATH Prepend とは?

自分の AS 番号を BGP アップデート に意図的に複数回追記してパス長を長くするテクニック。
ルール② で相手に「遠回りだ」と認識させてトラフィックを誘導できる。

❓ eBGP が iBGP に勝る理由

eBGP は直接隣接 AS から受け取った「一次情報」。
iBGP は AS 内で転送された情報のため、ループ防止ルールで信頼性が低く扱われる。

❓ Direct Connect と VPN が共存する場合

同じプレフィックスを広報する場合、デフォルトでは eBGP の Direct Connect が優先。
VPN を優先させたいなら Local Preference または AS_PATH で明示的に制御する必要がある。

🧠覚え方:語呂合わせ

ローカルで パスメッドに渡し、から 近い方へ、IDで決まる」

ロー
Local
Preference
パス
AS_PATH
メッド
MED
eBGP > iBGP
近い
Next-Hop
Cost
ID
Router ID
Tiebreak

Created by SSuzuki1063

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